施主様の感想・声

ユーザーから見たポイント

施主向けアンケート調査結果に見る傾向とニーズ

アンケート
調査実施
の概要
調査対象 年 度 配布数(通) 回収数(票) 回収率
平成21~23 年度に北海道R住宅システムによってリフォーム工事を完成させた施主、またはリノベーション(再生)住宅の購入者 (対象364 世帯の内、郵便未達等が10 世帯) 平成21 年 103 62 60.2%
平成22 年 152 105 69.1%
平成23 年 99 68 68.7%
合計 354 235 66.4%

① リフォームしたきっかけ

回答者の約半数(46.4%)が「高気密・高断熱化により、暖かい住宅にする」と回答。
次いで、「住宅・設備の老朽化・傷みが目立ってきた」が39.1%で多い回答。
「今住んでいる地域に長く住みたい」・「住みたいと思っていた地域に建つ住宅」の2つを合わせた「地域へのこだわり」に関する回答(合計)が27.6%あります。

① リフォームをしたきっかけ(複数回答n=235)

②リフォーム工事の金額

3年間364 戸の取組の平均金額は1,526 万円。平均延床面積は126.0 ㎡(38.9 坪)。
価格帯として最も多いのは、1,401~1,600 万円(25.3%)。
1,000 万円以下の工事は7%のみ。

② リフォーム工事の金額
平均金額1,526万円/平均延床面積126.0㎡

(データ:平成21~23年度施工の364戸)

③ 新築当初の建築年

昭和56 年(建築基準法改正による新耐震設計基準の導入)以前の住宅が6割強(63.5%)を占めるのが特徴。
昭和56 年以降(新耐震設計基準を満たす)の住宅が34.0%。
改修後に実現する性能・品質の目安と、それを測定・証明する仕組みを提供することで、新耐震設計基準以前の住宅の利用価値を高めることが可能となります。

③ 新築当初の建築年

(データ:平成21~23年度施工の364戸)

④ 北海道R住宅システムの取り組みの形

「今回、古いままの中古住宅を購入と同時にリフォーム」が、平成21 年度の14.5%から、平成23 年度には22.1%と増加。
また、「事業者販売のリノベーション(再生)住宅の購入」も、平成21 年度の11.3%から、平成23 年度には19.1%と増加。
これら取り組みの今後の成長が期待できます。

④ 北海道R住宅システム/取り組みの形

平成21年度 (回答62票、回収率60%)

平成23年度 (回答68票、回収率69%)


⑤ 施主の年齢

30 代の割合が平成21 年度の21.0%から平成23 年度には42.6%と急増。
新築同様の長期住宅ローンの提供により、若い世代がローン利用で性能向上(大型)リフォームに取り組みやすい環境が整ったためと考えられます。

⑤ 施主の年齢

平成21年度 (回答62票、回収率60%)

平成23年度 (回答68票、回収率69%)


⑥ 資金調達の方法

30 代の割合が平成21 年度の21.0%から平成23 年度には42.6%と急増。
新築同様の長期住宅ローンの提供により、若い世代がローン利用で性能向上(大型)リフォームに取り組みやすい環境が整ったためと考えられます。

⑥ 資金調達の方法

平成21年度 (回答62票、回収率60%)

平成23年度 (回答68票、回収率69%)


⑦ リフォーム・改修した箇所、リフォーム後の満足度

断熱性能・気密性能・省エネ性能を高める工事を中心に、住宅の全面的なリフォーム・改修となっています。

◆リフォーム後の満足度
満足度が高い事項(上位3位) 「どちらともいえない」が多く、満足度が5~6割の事項
①住みやすさ、住みごこち 満足度=87.7% ①今回、負担した工事額 どちらともいえない=33.3%
満足度=51.3%
どちらともいえない=24.0
②台所/風呂(広さ、設備等) 満足度=87.7% ②購入後のアフターフォロー、サービス どちらともいえない=24.0%
満足度=55.3%
どちらともいえない=29.6
③断熱性・気密性 満足度=86.6% ③大地震に安心な耐震性 どちらともいえない=29.6%
満足度=62.6%

⑦ リフォーム・改修した箇所、リフォーム後の満足度

(複数回答n=216)

⑧ リフォーム(またはリノベーション住宅購入)の際、比較検討したこと

「現地での全面的な建替」との比較が最も多く(35.7%)、次いで、「他の場所での新築戸建て住宅の建築または購入(30.2%)」が続きます。
マンション購入(新築・中古分譲)との比較のケースは少ない傾向です。

⑧ リフォーム(またはリノベーション住宅購入)の際、比較検討したこと

(複数回答n=235)


⑨ 北海道R住宅の仕組みの効果

仕組みに関して「非常に役だった」・「まあ役だった」の合計回答数の上位・下位それぞれ3項目を整理します。

◆役だったとする回答が多いもの(上位3位)
1)気密性能(C値)の測定(74.4%)、2)性能向上(長寿命化)リフォームの実施(71.1%)、3)断熱・気密等の専門 知識を持つ技術者(BIS 技術者)による省エネ設計・施工管理(68.0%)

◆今後、役だっていくことが期待されるもの(下位3位)
1)住宅検査人による改修アドバイス(45.1%)、2)履歴記録ソフト(北海道R住宅サポートシステム)による改修履 歴等の入力・記録(53.6%)、3)改修後住宅の性能レベル(住宅品質カルテ)の表示(56.2%)

⑨ リフォーム(またはリノベーション住宅購入)の際、比較検討したこと

(n=235)


⑩ 住宅リフォームかし保険制度加入の効果

「非常に役だった」・「まあ役だった」の合計回答数は55.3%で、過半数を超える人から効果が認められる回答が得られました。
一方、「どちらともいえない(25.0%)」・「無回答(16.1%)」の回答割合は決して少ないとは言えず、かし保険制度の仕組みや効果の今後のPR等の必要性が高いことが読み取れます。

⑩ 住宅リフォームかし保険制度加入の効果

(平成23年度に、かし保険制度を利用した56世帯の回答)


⑪ 不足している情報、あると良いと思った情報

「リフォームの場合と建替えの場合の費用差等の比較情報(51.5%)」が過半数を超えて、最も多い回答です。40%台で、「リフォーム工事費の目安や積算の基準(46.0%)」・「工事後のアフターサービス等に関する情報(45.1%)」・「リフォームに関する減税・優遇措置等の情報(43.8%)」・「施工業者以外で、相談できる専門家等の紹介(40.0%)」が続きます。
工事費・コストや減税など、お金に係ることの関心が高い傾向です。第3位が「工事後のアフターサービス等に関する情報」と、「工事後の対応」についても関心が高くなっています。
また、「施工業者以外で、相談できる専門家等の紹介」に4割の回答があり、ユーザーが、施工業者以外の第三者の専門家が自分側の立場に立ってリフォーム等に関わってもらうことの期待が読み取れます。

⑪ 不足している情報、あると良いと思った情報

(複数回答n=235)


⑫ 事業者を知るきっかけ・機会

「事業者の完成住宅見学会や施工現場を実際に見て(54.9%)」が、過半数を超えて最も多い回答。「インターネットの情報収集や事業者ホームページを見て(32.3%)」・「住宅・リフォームのフェアやセミナーなどを通して(27.2%)」が続きます。
インターネット(ホームページ)を活用したリアルタイムで閲覧性に優れた情報提供の必要性とともに、フェアやセミナーを通して対面で企業を知ってもらうことと、完成見学会や施工現場で実際の家づくりの様子を体験してもらう機会の 重要性とその効果が読み取れます。

⑫ 事業者を知るきっかけ・機会

(複数回答n=235)


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お施主さんから数多くの貴重な意見・感想をいただきました。代表的なものを、まとめました。

このような点が評価されています!

■新築よりもリーズナブルで、資金面で生活に余裕ができる。工期が短い
①安価で新築と変わらない。特に不安ない。思い出を残せる。業者との信頼関係が大事。(自分で新築した自宅のリフォーム;60 歳代)
②今の技術はリフォームでもしっかりした建物にすることが可能であり、若い世代が中古住宅を購入してリフォームすると、その後の生活に余裕ができることは良いこと。「築50 年です」と胸を張れる時代を望みます。(親等の住宅を同居等のためにリフォーム;40 歳代)
③新築に比べ工期が短い。費用が安い割りに、性能は(新築住宅)と変わらない。固定資産税が新築時からの年数で評価される。ただし、再利用の割合によって、設計自由度が下がる。(古いままの中古住宅を購入し、直後にリフォーム;40 歳代)
■廃棄物が少なく、環境に配慮した取組
④新しく建てるのではなく、古いものを活かし、再生するというプロセスを体感し、本当にすばらしい経験でした。より自分達にとって快適な家に住むことができました。廃棄物も少なく、環境にも良い。(古いままの中古住宅を購入し、直後にリフォーム;40 歳代)
⑤コストパフォーマンス。住宅のサスティナブルへの発想転換。時代のニーズに適したものだと考えます。(古いままの中古住宅を購入し、直後にリフォーム;30 歳代)
■住宅検査や性能確認等による安心感
⑥北海道R住宅システムとして国の信頼があることでリフォームに踏み切ることができた。築28 年の中古戸建て住宅の購入だったので、スケルトンにしてみないとわからない劣化部分を発見してもらえたこと、また住宅性能を改善してもらえたことは大きな魅力です。(古いままの中古住宅を購入し、直後にリフォーム;30 歳代)
⑦北海道R住宅にすることで建築に対する安心感が増す。工務店についても同じ。施工の打合せ(見積、構造、間取り等)で、数回建築家(第三者)のアドバイスを受けられると、さらに安心感が増す。(古いままの中古住宅を購入し、直後にリフォーム;40 歳代)
■性能向上リフォームの確実な実現。信頼できるリフォーム工事の進捗、安心な事業者
⑧窓の断熱、外壁の断熱強化は満足。特に、気密測定では、現在の問題点がよくわかりました。また、第三者の専門家のチェックも違った見方からの意見をいただき大変参考になりました。20~30 年で廃材になる住宅から、リフォームして補強し長く愛着をもって住み続ける住宅と、その正当な評価をいただけたことはとても有意義と喜んでいます。(自分で新築した自宅をリフォーム;50 歳代)
⑨古くて寒かった家からオール電化となり、家の中どこも寒くなく、一定の温度なので、とても体の調子も良く、家の中にいても静かで(気密性が優れているため)、とてもやすらぎを感じて、心にゆとりがもてます。今までは家がゆれ(バス、トラックが通るたび)とても大変でした。そんな気分が解消され、主人と二人ともに良かったねと思ってます。(以前に中古住宅購入した自宅をリフォーム;50 歳代)
⑩親から譲り受けた家を、子供が大きくなって住める丈夫な家にできました。(親等の住宅を同居等のためにリフォーム;30 歳代)
⑪1)住み続けている所で暖かく老後を安心して暮らせるよう、施工業者の親切なアドバイスがあり実現できた。2)セミナー等への(出席の)声かけにより参加して、新しい情報もあり大変良かった。3)水回りも老朽化、子供達も成長して残った私達は減築した省エネ住宅に大満足。4)暖房が石油から電気になり、安全で清潔、出費も少なく、経済的になった。(自分で新築した自宅をリフォーム;70 歳代)
⑫中古住宅物件の品質について素人では不安がある。(基礎、シロアリ等)建築会社の立ち会いの下で購入したため追加費用は発生しなかった。また、将来売却する際の価格に新築とどれだけ差が出るのか読めない点が不安。良い点は、地区限定で物件を探す際の選択肢が増え、かつ初期費用、ローンを抑えられること。(古いままの中古住宅を購入し、直後にリフォーム;40 歳代)
■リフォームなので家の周りや地域の環境をイメージしやすい。気に入った環境や利便性の良い場所で家を手に入れることができる
⑬陽当たり、風向きを熟知しているので設計に有効。近所付き合い等の心配ない。(親等の住宅を同居等のためにリフォーム;40 歳代)
⑭長年住み慣れた家をベースにリフォームする点で、年齢的に見ても精神的に楽かと思い決断しました。また、地元の事業者にこだわり、情報を求め、決めました。(自分で新築した自宅をリフォーム;60 歳代)
⑮気に入った環境に、新築同様の性能の住宅を安価に購入できた。リノベーション可能住宅の情報がもっとあるとよい。リノベーションのメリットを広く周知して欲しい(こんなに良いものだと知らなかった)。(古いままの中古住宅を購入し、直後にリフォーム;40 歳代)

このような点が心配?!の声がありました

■将来的な耐久性やメンテナンスに関する課題。工事の保証期間の課題
①リフォームをして施工費は新築より安く済みましたが、基礎と古いまま残した柱や梁が20~25 年後、大丈夫なのか心配です。リフォームした住宅は築37 年です。(親等の住宅を同居等のためにリフォーム;40 歳代)
②新築に比べ費用が安く済んだが、将来のメンテナンスの費用に関して不安。(以前に中古住宅購入した自宅をリフォーム;50 歳代)
③ほぼ新築と同じで今のところ不具合はなく満足。保証期間が短いのが少し不満。(事業者販売のリノベーション住宅を購入;30 歳代)
■信頼できる事業者・安心な事業者の選択に係る課題。情報不足の課題
④予算があまりない場合でも、ある程度希望通りの住宅にすることが可能。予算内でどの程度のリフォームができるのかがわかりにくいため、信頼できる業者に依頼・施工しないと不安。(古いままの中古住宅を購入し、直後にリフォーム;30 歳代)
⑤新築と変わらない性能を安価で手に入れられ、とても満足。リノベーションの果たす役割の情報が今ひとつ不足している。(親等の住宅を同居等のためにリフォーム;30 歳代)
⑥今住んでいる住居に対する愛着やコスト面からリフォームの選択肢は大きい。リフォームが新築に比べ技術・経験がより要求される事から適切な施工業者を選ぶ必要がある。今後、住宅リフォームは増加する傾向にある事から、総合的な情報が得られる場を提供してほしい。(自分で新築した自宅をリフォーム;60 歳代)
■将来の資産価値の課題
⑦費用面では建替よりずっと安くできるので良いが、将来、家を売るような場合、新築でないため築年数がすごく古いものになってしまい(見た目ではなく書類上)、資産価値を考えるとどちらがいいのか、と思います。(親等の住宅を同居等のためにリフォーム;40 歳代)
⑧(事業者販売のリノベーション住宅は)新築より立地が良いものが多い点が魅力だが、将来売却する時に古さで安く査定されないかが心配。(事業者販売のリノベーション住宅を購入;30 歳代)

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事業者によるポイント

事業者向けアンケート調査結果に見る傾向

北海道R住宅の工事を行った事業者に、仕組みの効果や工事傾向等に関するアンケート調査を実施しました(平成22年度実施。配布34 社/回収22 社/回収率64.7%)。また、北海道R住宅の竣工地域を、 ②グラフに示します。

①北海道R住宅の仕組みの効果(n=22)

(複数回答n=235)


②取組の地域

(複数回答n=235)


③工事価格帯別のリフォームの取り組み内容(複数回答n=22)

(複数回答n=235)


③工事価格帯別のリフォームの取り組み内容

北海道R住宅の平均工事金額である約1500 万円の内容は、住宅の全面的な改修となっていることがわかります(ただし、基礎の補強・有筋化は無筋基礎の場合にのみ必要な工事)。
500 万円程度の工事では、屋根・外壁の対応と住宅設備機器の変更が主な内容となっています。
断熱・気密化工事は700 万円を超える工事からその割合が増加します。

  • 性能向上リフォームやリノベーション(再生)住宅の定着・拡大には、1)各事業者によるユーザーの信頼を裏切らない施工の実施、2)施工技術・工程等の効率化による工事コストの低減、3)長期的なアフターフォローの充実がポイント。
  • 消費者がライフスタイル・価値観に応じて、新築・既存住宅の「垣根なく」、安心して良質な住宅を選択できる環境づくりが重要。
    その実現に向けて、中古住宅流通・リフォーム市場の総合的な環境整備が急務。

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