住宅ストック維持・向上促進事業

出典:国土交通省

いいものがきちんと評価される市場構造に転換するためには、質の高い住宅を設計・施工する主体、それを適切に維持管理する主体、これらの質を評価して資金を提供し、流通させる主体が相互に連携することで、維持向上・評価・流通・金融の一体的な仕組みを整備することが肝要。

出典:国土交通省

国土交通省が平成28年度7月に公募した「良質住宅ストック形成のための市場環境整備促進事業」(※本事業の採択事業者及び事業概要一覧はこちらをクリックして下さい。)に、道内から「北海道R住宅事業者ネットワーク」事務局の(株)シー・アイ・エス計画研究所(CIS)が代表を務める提案が採択されました。

CISは「北海道R住宅ストック流通推進プロジェクト」を提案し、補助上限1200万円でプロジェクトに取り組んでいます。

●目的:性能・品質の高い住宅(良質ストック)が住宅市場で適正に評価される環境整備のための金融商品開発や新しい流通方法などの試行

●プロジェクトメンバー:
(株)シー・アイ・エス計画研究所/北洋銀行/(株)札都/たけうち不動産(株)/(一財)北海道建築指導センター/(一社)北海道建築技術協会/(公社)北海道不動産鑑定士協会/北海道R住宅事業者ネットワーク
オブザーバー:
北海道/(地独)北海道立総合研究機構/住宅金融支援機構北海道支店/(一社)北海道ビルダーズ協会/(株)日本住宅保証検査機構(JIO)/住宅保証機構(株)
検査研究連携:
北海道大学、INDI(株)

●取り組みの概要
調査・分析/住宅の資産価値評価の根拠や手法を確立するために、①施工後6~7年のR住宅、②北方型住宅のうち築後12~26年の住宅、③同じく築後7~11年の住宅、④同じく築後6年以下の住宅、⑤一般的な住宅、の5グループを検査・測定。北海道住宅検査人によるインスペクション(住宅検査)で築後経過の劣化や修繕必要箇所を確認し、気密測定や室内環境測定、消費エネルギー量調査などを実施。あわせて、各住宅の施主にアンケート調査を行い、暖房方法や快適性、暮らし方など、良質な住宅と一般的な住宅との性能品質の差を明確にする。また、性能・品質の再確保のためのリフォーム費の試算、現状及びリフォーム工事後住宅(想定)の2種類の不動産鑑定も行う。

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買取保証/新しい流通方法として、(株)札都・たけうち不動産(株)による「買取保証付き買取再販住宅」のモデル的な販売も実施。上記の調査・分析結果を基準に再生するために必要なリフォーム工事費や各種経費を計上し再販価格を算出して、買取保証額を設定する。さらに、プロジェクトメンバーの北洋銀行により、新商品の開発を進めている。

北海道庁等が支援する民間団体・機関が、インスペクション、履歴システムを活用し、築年数の高い住宅を買い取り、リフォームし、再販する仕組みを構築し、北洋銀行と連携して新築住宅と同じ条件のローンを実施中。さらに、これら既存の仕組みをさらに発展させ、買取保証や残価設定型住宅ローン、リバースモーゲージの仕組みを新たに開発するもの。

住宅ストックの維持向上に資する取り組み

【北海道R住宅システム】
北海道庁、地場の住宅会社や金融機関が連携して、性能の高い中古住宅の流通促進を図るため「北海道R住宅システム」を開発
【性能向上・品質確保に係る取り組み】
・寒冷地である地域性等を踏まえ、高水準の省エネ性能等リフォームが必須。
・リフォーム後に住宅品質を表示する「住宅品質カルテ」を作成し、性能を表示。
【維持保全に係る取り組み】
「維持保全計画」作成の義務付け。
・計画に基づく定期的なインスペクション(リフォーム前、築後5年後・10年後)に基づく修繕等を実施し、調査報告書を作成。
・診断時の現況調査結果、改修設計、施工状況等についての住宅履歴データの保管・管理も実施。

上記を評価し、金融支援等を行う取り組み

【従来の金融支援】
・「北海道R住宅」に対して、新築住宅と同等の長期固定金利住宅ローンを提供(北洋銀行)。
【新たな金融商品等の開発】
・宅建業者による買い戻し(買取保証)を前提とした「残価設定住宅ローン」といった金融商品等を開発・検討。

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